2008年4月 3日 (木)

ガリレオさん、あなたもこんな空を見てたんですか?2

ガリレオのレプリカ望遠鏡は口径37mm、倍率20倍。一方のテレビューは口径76mm、倍率は18倍で見比べてみた。Photo

とりあえず、ガリレオ式望遠鏡でレグルスを導入しようとしたが、 なかなか視野に入れることが出来なかった。極端に視野が狭いのだ。まるで壁に開けた小さな穴から星空を見ているような感じでどこを見ているのかさっぱりわからない。それに比べると最新の短焦点アポクロマートとナグラーが作り出す視野の広さは圧倒的だ。壁から頭を突き出して星空を見ているぐらいの大きな違いがある。

次にちょうど見やすい位置にある土星を見た。ガリレオは土星を観測したとき、耳がついているような表現をしているが、かろうじて面積をもった天体として認識できる程度で私にはとてもあのスケッチのようには見えない。シャープなテレビュー76の18倍でも厳しい。ガリレオが実際に使った望遠鏡はもう少しレンズの性能が良かったのかもしれない。それにしても、よくもまあこんな見づらい望遠鏡でいろんな発見をしたものだと感心する。

明け方になってから月に望遠鏡を向けた。視野が狭いので月の全景がやっと入る程度で像はやはりシャープとはいえない。大きなクレーターなら何とか確認できた。ひどい色収差で全体にうす青くぼやけているので違う天体を見ているような新鮮さを感じた。ガリレオの著書「星界からの報告」で月のスケッチを見たとき、クレーターが実際より大きく描かれていて違和感があったが、この望遠鏡で見るとそんなスケッチになりそうだと納得した。

最後に木星を見た。高度が低く、春霞の影響からか、ガリレオ衛星は確認できなかった。もちろんテレビュー望遠鏡は余裕で確認できる。彼はこの衛星が木星の周りを回っているのを観測して地動説を確信したという話は有名だが、最初に気付いたときは大変な驚きだったに違いない。

最新の望遠鏡はものすごく見えることに感動はした。しかし、こんな小さくて見づらい望遠鏡でも、誰も知らない世界を見ていくときの気持ちの高ぶりは計り知れないものがあっただろう。ガリレオさん、こんな宇宙を見ていたのですね。

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2008年4月 1日 (火)

ガリレオさん、あなたもこんな空を見てたんですか?1

Photo 「大人の科学」という雑誌企画でガリレオが使った望遠鏡のレプリカが発売されたので買ってきた。アストロアーツのサイトで発売は知っていたが買う気はあまりなかった。いまさらおもちゃのような望遠鏡は要らないと考えていたのだ。ところが、タイトルにしたキャッチコピーにそそられてしまった。価格は2300円だった。

この値段なので仕方がないが、レンズはプラスチック製、筒は紙で出来ている。口径や倍率などの仕様は忠実に再現しているようだ。さっそく組み立てて遠くから眺めるとなかなかよい雰囲気を出している。天気の良い日を選んで400年前のガリレオ式望遠鏡と最新の望遠鏡であるテレビュー76で実際の星空を見ながら比較をしてみようと思う。

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2008年3月12日 (水)

「ディープスカイ観測の秘訣」3

その3「多量呼吸をする」Photo_2

目をアイピースに当てる前に何度か深く息をする。これによって新鮮な酸素が脳と目に供給され、それだけで感覚が鋭敏になるという。具体的な彼のやり方は、このように酸素を供給して視野を2、3分ながめ回した後、口でゆっくりと息を吸ったり吐いたりする。そしてだんだんとペースを早くして目標に狙いを定めるというPhotoものだ。昔、フィルムで水素増感法というのがあったが、これは人間の網膜を使った酸素増感法といったところだろうか。

昨夜は春霞で透明度がもうひとつだったが天気予報は快晴だった。月齢や仕事のことを考えると春の星雲・星団を見る最後のチャンスかもしれないと思って別荘に向かった。0時頃から約2時間、40センチでしし座とおとめ座付近の系外を中心に20個ほど観望した。正直に言うと、この多量呼吸法をしようとは思わなかった。ひとつの天体をあそこまで見ようとする気力がPhoto_3自分にはない。目的の天体が見えたら満足のレベルなのだ。

写真データ:2008年3月11日 5分露出 200ミリF2.8 キヤノン30D

上からM95・96・105 中M65・66・NGC3628 下M81・82 

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2008年3月 9日 (日)

「ディープスカイ観測の秘訣」2

その2 「そらし目をする」M31

淡い天体を見るときの「そらし目」というテクニック。ちょっとした天文ファンなら誰でも知っていることだ。しかし、彼のそらし目のやりかたはもっとディープだった。一般的なそらし目は目標の天体を視野の真ん中に入れ、視野の端のほうを見ながら中のほうに注意を向けるやり方をしている。人間の目は中心の網膜の感度より、周りの網膜の感度が高いためにこうしたことをする。

彼によると周りの網膜もどこも一様な感度ではなく、ある方向に見たときに最もよく見える「自分だけの魔法の点」があるというのだ。彼の場合は暗い天体を見るときは視野の左上にその天体をもってくる(11時の方向)。視線はほぼ反対(4時の方向)に向けることで最高の感度になるというのだ。見つけ方は自分にとって最も快適に見られる点を探すだけでよいという。試してみる価値はありそうだ。

写真データ:2007年8月11日1:57~2:03(6分露出)キヤノン30D  200ミリF2.8

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2008年3月 8日 (土)

「ディープスカイ観測の秘訣」1

空が抜群に暗いハワイとはいえ、たかが10センチ屈折望遠鏡でメシエ天体をあそこまで詳細に見るには秘訣があるという。ステファン・ジェームズ・オメーラの方法を紹介させていただく。

その1 目を30分間暗順応させてから見る

人間の目はいきなり明るいところから暗いところに行くとほとんど見Photo_3えなくなる。しばらくすると周りの様子が見えるようになるのは誰でも経験している。これが暗順応である。同じように、望遠鏡を見たときも天体の暗いディーテールは完全に暗順応するまでは全ては見えてこないというのだ。目が完全に暗順応するには、個人差があるようだが30分ほどかかる。しかも、ちょっとでも明るくすると元の目に逆戻りしてしまい、また30分待たなくてはならないのだ。彼によると、コートなどで頭を覆い、1分か2分ほど闇を凝視したりすると早く暗順応の状態になるという。30分間の暗順応をした目は15分間の暗順応の目と比べて6倍感度が違うという実験結果があるそうだ。最近はパソコンからの自動導入をしているので、いつの間にか明るい画面を見るようになっていた。先日の星仲間の観望会のときは暗順応を意識して天体を観望した。すると確かに以前より良く見える。ドームの中はそういう状態を作りやすいこともよくわかった。

写真は友人が撮影した観望会のときのショット。

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2008年2月29日 (金)

メシエ天体カタログ

昨日、大型書店の天文コーナーで立ち読みをしていて、つい買ってしまっPhotoたのが「メシエ天体カタログ」(ニュートンプレス)という本だった。この本はタイトルで損をしている。内容からするともっといい名前がありそうなのに。

ちょっと立ち読みしようとこの本を見つけてパラパラとめくっていたとき、メシエ天体の天体写真とその天体を観察したスケッチが載っていた。びっくりしたのはそのスケッチの方だった。ここまで詳細にスケッチできるということは50センチくらいの大口径の望遠鏡で観察したのだろうと思いながらデータをチェックすると、何と使用望遠鏡は10センチの屈折望遠鏡Photo_2(テレビュー社のジェネシス)だった。観測者はステファン・ジェームズ・オメーラ。  40センチでもここまで詳細に見たことがない。たった10センチでここまで本当に見えるのかという疑問が出てきたので、もう少し読むと、よく見るための秘密のテクニック「観測の秘訣」が詳しく書いてあった。その方法を知ったとき、私はちょっとしたカルチャーショックを受けた。こんな方法があるとは今の今まで知らなかった。日本の天文誌や本を40年近く読んできたけど一度も紹介されていないテクニックだと思った。

以前にも書いたが、どうも日本の天文記事は天体写真中心になっているように思う。素晴らしい天体写真を撮影している人が本当の天文ファンみたいな傾向があるというのは言い過ぎだろうか。アメリカでは眼視のファンがたくさんいる。だからこそドブソニアンみたいな望遠鏡が生まれ、目で見るためのテクニックをこれほどまでに磨き上げてきたのかもしれない。

次回、彼のすごいテクニックを紹介していこうと思う。

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2007年10月24日 (水)

BRIOブリオ12月号発売

取材を受けたブリオ12月号が今日(1024日)発売された。昼の休憩時間Photoにさっそく書店に行って買い求めた。実は掲載予定の原稿は前もって見せてもらっていたのでわかっていたのだが、どんな写真が取り上げられているかは当日まで知らなかったので、少しドキドキした。

今回の星の特集には渡部潤一さんが監修されているだけあって内容があり、望遠鏡もかなりマニアックな商品を掲載している。天文雑誌ではなPhoto_2いことを考えると、良くまとまっていると思うのだが、いかがでしょうか?

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2007年10月 9日 (火)

ブリオの取材

106日に光文社の「ブリオ」の取材があった。ブリオは40代、50代の男Photo性向けライフスタイルを提案している月刊誌。次回発行の特集企画として「星を見る」がテーマとなり、ぐんま天文台、西はりま天文台の取材とともに、個人では天体ドームと望遠鏡がある私の別荘が取り上げられた。

星を見ることを趣味として、家族で楽しんでいる様子を取材させて欲しいとの申し入れがあったのが101日だった。1024日発行の締め切りに間に合わせたいとのことで大慌ての撮影となった。

1年半別荘を使っていると、いくら生活をしていないとはいっても、子供の遊び道具や余分なもの、さらには汚れも目立っていたので、一生懸命片付けと掃除をした。こんな機会があると部屋は本当にきれいになると思った。妻は服装選びと顔の手入れで大忙しだった。

当日は東京から女性記者とカメラマンの2人が来られた。別荘の外観、内観、天体ドームと望遠鏡、それに私や妻、子供と一緒に星を見ているようなイメージを含めてたくさん撮影された。時々、雑誌に星の特集があっても、天文ファンから見るとちょっとおかしいと感じることがある。それに関しては、出来るだけリアルなシーンと文章となるように説明をしたつもりである。どんな記事と写真が掲載されるか楽しみである。

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