数日前からこの冬一番の寒波がやってきて、播磨自然高原もうっすらと雪化粧をしたようだ。昨夜はその寒波も緩み、快晴になったので別荘に出かけた。
今回の星見の目的は、40センチでマニアックな観望をすることだった。一つはビノビューによるオリオン大星雲の観望。2つ目は遙かなたにあるかみのけ座星雲団の観望。そして最後に1月から2月にかけて肉眼彗星になることが期待されているルーリン彗星の撮影だった。
午後11時ごろから観望を開始した。最初に見たのはオリオン座大星雲だ。この天体は非常に明るく、どんな望遠鏡で観望しても楽しめる。しかし、40センチ285倍になるとやはり迫力が違う。4重星トラぺジウムは6個数えることが出来、その周りを取り巻くガスの複雑な様子が迫力をもって迫ってくる。次に、今回の目的だったビノビュー(双眼装置)を接眼部に取り付け、13ミリ307倍で両目の観望をした。
もともとこのビノビューは、月や惑星を観望するために購入したものだった。実際これで見ると、もう月などは片目では見る気がしなくなる。最近そういうマニアの方が増えている。ところがネットを見ていると、マニアの一部には大口径のドブソニアンにこのビノビューをディープスカイ観望に使っていることを知ったのだ。
ビノビューのピントを合わせ、改めてオリオン大星雲を見ると、そこには全く違う世界が広がっていた。思わず声を出してしまうぐらいの素晴らしい眺めだった。表現は難しいのだが、片目だと望遠鏡の接眼部から無理やりのぞいている感覚があるが、両目になると、まるでその天体のところまで行って、肉眼で見ているような感覚になる。これは実際に体験しないとわからないと思う。先ほどのトラペジウムは目の前でチカチカと瞬き、ガスは立体感があるかのように輝き、時間を忘れて見入っていた。
次にリゲルを導入した。この恒星は二重星で7等星の伴星があるのだ。これ
を307倍のビノビューで見ると、これもまた感動モノである。ぎらぎらと青白く輝くリゲルのそばに少し黄色っぽい星があって、まるで宇宙旅行でよその恒星系に入り込んだような感覚になった。ただ、ビノビューは明るい天体には効果的だが、やはり暗い天体は苦手だ。次に導入したかに星雲は、倍率が高すぎたこともあるが、暗くてよく見えなかった。
次にかみのけ座に望遠鏡を向けた。このあたりは「宇宙の窓」にあたり、直径6°の空の部分に系外銀河が約1000個群れ集まっている。その中に「THE BOX」と呼ばれる銀河群がある。150倍では視野の狭い領域に4個の系外が長方形型に密集して見えた。今夜は透明度がいいのか、13等から14等というデータからすると明るくてよく見える。いかにも遠くの天体を見ている感じがしておもしろい。昔は「パロマ天体写真集」でしか見ることが出来ないと思っていた天体を、機材やコンピューターの発達で簡単に自分の目で見られる時代になったのだ。これはお勧めである。
最後はルーリン彗星の撮影である。200mm望遠レンズを赤道儀に乗せて準備をし、明け方まで待った。天文薄明が始まる午前5時ごろの東の地平線近くにようやく見える位置だったが、残念ながら私のドームからはその方向に小高い山があって、確認も出来ないうちに空が明るくなってしまった。
データ:上の写真「オリオン座中心部」 下の写真「とも座M46と47」
ともに2008年12月28日 露出5分 キヤノン30D 200mmF2.8
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