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2010年1月28日 (木)

マツモト式正立ミラー(銀ミラー仕様)

私はシュミカセの望遠鏡に天頂ミラーを付けて暗い星雲星団を主に観望しているが、視野に見えている天体を写真やスケッチで確認しようPhoto_2とすPhotoると、自分が見ている天体が裏像であることが気になっていた。また星の配置から天体を見つけようとしたとき、裏像ではどこを見ているのかよくわからないときがあるのだ。だからといって天頂ミラーなしでは観望できない。天体を正立で見ることは出来ないのだろうかと思っている中でたどり着いたのがEMSだった。

EMSを販売している松本さんは、鳥取でめがね店を経営されている。天文ファンでもある松本さんが、鏡像への疑問から新しい正立ミラーを考案し、特許を取得されているのだ。Photo_3

実はこのEMSはかなり前から知っていたが、構造上、天体の光を2回反射するための光量ロスが大きい。月・惑星なら問題ないが、私のような暗い天体中心の観望にはあまり向かないのではと思っていたのだ。

ところが、最近になって松本さんのHPで銀ミラーのことを知り、そのデータ結果に大変興味を持ったのだ。

アルミでなくて銀ミラー?最初は銀のスプーンのようにすぐに黒ずんでしまうのではないかと思ったが、そうならないように出来るらしい。そして何よりもデータが示す銀ミラーの反射率の素晴らしさには驚く。

我々はメーカーの数値を鵜呑みにする傾向があるが、アルミの反射率というのはすべての波長に対して高いわけではないようだ。1度反射のアルミ天頂ミラーより2度反射の銀ミラーの方がトータルの反射率が高いという結果になっていたのだ。

こんなにすばらしい反射率なら、どうして他の望遠鏡メーカーはこれまで銀ミラーを使わなかったのだろうかという素朴な疑問が依然として残る。でも、まあ裏像の問題から開放されるだけでも十分だと思ってEMSULの購入を決めた。

注文してから5日目で商品は届いた。商品を確認してみると、かっちりと作られていて品質もよさそうだった。個人が手作りしているレベルではなく、「製品」になっていた。ただし、品質保証書や取扱説明書はない。

すぐに40センチで銀ミラーの効果を確認したかったが、あいにく今は月がある。とりあえず自宅にあるテレビュー76に取り付けて月や火星を観望した。

月を100倍程度で観望すると、ちょうど直線壁が視野に入っていたが、写真のとおりに見えるのが新鮮でうれしかった。こうして正立で天体を見てしまうと、いままで自分が見てきた像は何だったのだろうと思えてくる。いつの間にか、天体望遠鏡ではこういう像だと受け入れてしまっていたようだ。

困ったことはというと、望遠鏡を動かそうとしたとき、正立になっているのに裏像の状態の方向に手が勝手に動いてしまうことだった。長年の習慣とは恐ろしいものである。

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