飛鳥Ⅱクルーズ 2
天文ファンとして飛鳥Ⅱクルーズで楽しみにしていたのは、水平線から立
ち上る天の川を見ることだった。初代飛鳥のときは和歌山沖の太平洋で快晴に恵まれ、素晴らしい天の川を見ることが出来た。残念ながら今回は悪天候で全くだめだった。
今回はキヤノンの防振双眼鏡(15×45)を持っていった。来年の皆既日食を船から見たとき、防振の双眼鏡がどれくらいの効果があるかを確かめたかったからだ。たぶん、普通の双眼鏡では手振れとともに船の揺れが重なり、まともに見ることは出来ないと思っている。天体で確認はできなかったが、遠くの船や陸地の建物を見る限りその威力は十分だと思った。防振のスイッチを押すとゆらゆらゆれていた視野がぴたりと止まって本当によく見えるようになる。
ところで、この双眼鏡を持っていったことで思わぬ副産物があった。今回
の予定航路を見ると神戸港から紀伊水道を抜けて室戸岬の近くを通り、四国の太平洋岸の陸地近くを航行し、最後に足摺岬を見てから反転して神戸に戻るコースになっていた。夜の8時に神戸を出航して11時頃には徳島市を通り過ぎていた。あいにくの雨が降り続く中をデッキから四国方面を見ると徳島市街の光害がわかる。ところが、そこから先は陸地も水平線も真っ暗だった。どこが海でどこからが陸地なのかさえもわからないぐらいだ。四国のこのあたりは日本でも有数の星空が見えるところだということがよくわかった。
朝に室戸岬沖をかすめるように通り、高知県沖を飛鳥は航行していた。そのとき急にコメットハンターとして世界的に有名な関勉さんの芸西天文台のことを思い出したのだ。この天文台は海のそばの小高い山の上に銀色の大きなドームと赤い屋根の建物があることは知っていた。この船には現在の船の位置を正確に教えてくれるテレビのチャンネルがあるのでこの辺りだろうということはすぐにわかった。デッキに出て15倍の防振双眼鏡で山のふもと辺りを探していくと「あった!」。小さいけれど銀色に光るドームらしきものと手前に赤い屋根の建物が確認できた。
自宅に帰って写真で建物を確認すると屋根が赤だったので間違いないと思う。学生時代に読んだ関さんの本、「未知の星を求めて」は私をさらに天文にのめりこませるきっかけになった本だ。そんな関さんの天文台を遠く航行する船から見つけだすような変人は自分ぐらいだろうと思っている。
写真中は室戸岬、写真下は芸西天文台付近。デジカメの望遠程度ではどこなのかわからない。
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